ヴォイニッチ手稿Lineスタンプをリリースしました

ヴォイニッチ手稿は600年前の羊皮紙に描かれた、異世界の植物やコスモロジーが描かれた不思議なものです。絵には詳細な説明がつけられていますが、文字も文法も既知の言語とは異なっています。
内容は解読できていませんが、言語として妥当なものであるかどうか(デタラメかどうか)は統計的手法で処理した結果、意味のある自然言語か、人工言語だとされています。また解読を試みたフリードマンは暗号ではなく、人工言語ではないかと結論づけています。

手稿が作られた時代はルネサンスの時代、ジョルダノ・ブルーノやアタナシウス・キルヒャー(キルヒャーはヴォイニッチ手稿を持っていました)の時代です。
上のように暗号化されているのでないとするなら、この時代に我々に解読できない人工言語を作るのはほとんど不可能ではないか、→ホンモノ感が微レ存。
僕がヴォイニッチ手稿を面白いと思ったのは、この辺の経緯です。
当時はインド・ヨーロッパ語族以外の言葉はほとんど知られておらず、キルヒャーのような万能人でさえ、完全言語を作ることで言語から言語へ完全な翻訳が可能になると考えていたからです(完全言語の探求)だから、同時代の錬金術師が気まぐれに人工言語を作ったとしても、それほど解読の難しいものにはならなかっただろうし、植物もこれほど異質なものにはならなかったのではないかと思うのです。(トールキンも、まさに異世界の生き物や文化や言語を作った一人のですが、あんまり異質ではないですよね。)
というわけで「異世界の動植物が描かれた異世界の世界観が描かれた本」であると、ある程度安全に思って入られそうなのです。

スタンプはずっと作りたかったのですが、絵師が見つからず、ずっとサスペンド状態でした。ようやく提出したと思ったら、「解読」のニュースもあったりして。

「ギブズ氏は「これまで解読を試みた人物が、古い時代の文献について無知であったことが問題を引き伸ばした原因である」と断言。歴史学者としての知識を生かし、古代から中世までの医学書に描かれたイラストと、ヴォイニッチ手稿内のイラストとの共通性を指摘しています。」

それにしてもキルヒャーが、「ギブス氏」よりヘブライ語にも「古い時代の文献」にも無知だったとは考えられないので、解読成功についてはネタということでいいと思います。

というわけで非言語コミュニケーションや文化を超えたコミュニケーションに是非ご利用ください。

(あ、本業の方もちゃんと進めてます)

→ヴォイニッチ手稿 Line スタンプ