無意識に存在を伝えるためのIotデバイスをクラウドファンディングに

INDIEGOGOでクラウドファンディングキャンペーンを始めました。
「一緒にいる」というメッセージを伝える、と説明には書いてありますが、厳密に言うと、違います。あの場でそれ以上のことを書くとややこしくなるので。
ただ、ここではもう少し正確なことを書きたいと思います。

厳密に言うと、コミュニケーションとは発信があって、応答があって、メッセージとはその間で伝達される情報を指すことが普通なので、このデバイスで出来ることを「コミュニケーション」とか「メッセージを共有」とか言ってしまうのは、すこしずれてしまうのです。

言語的・非言語的コミュニケーションは、意識するにせよ、無意識にするにせよ、なんらかのメッセージが含まれています。
ところが、例えば一緒にいるカップルを見ていたとして、その間で起こることを細かく考えてみると、メッセージともコミュケーションとも言えない部分にも重要なものがあることに気づきます。これは発信も応答もなく、意識・無意識の意図もない、「ただの気配」です。発信されるものではないけれど、あるのと無いのとは違う、ARCandleはその部分、発信者の意図も受信者の応答もないという点で厳密にはコミュニケーションとは呼べないし、言語でも非言語でもないけれど、無意識的ではそうではないものとして処理されていて、存在するだろう部分のみをとりだして伝えるデバイスなのです。

どんなものか

あらかじめ一対のペアとして設定された二台一組で出荷されます。それぞれを、例えば彼女の家と僕の部屋に置きます。電源をつなぐと、ゆっくりと炎がまたたきます。彼女が部屋で動くと、その動きの情報だけがインターネットとWifiを介して僕の部屋のキャンドルに送られ、あたかも彼女が僕の部屋にいるかのように、炎が揺れるのです。

 

AR?

開発時の仮の名前は「モノのAR (ARoT )」でした。このデバイスを使うと、無意識の部分であなたの部屋の現実は彼女の気配の分だけ「拡張」されます。 QOOQはARアプリを開発してたりするんで、バズワードとして使ってるつもりはあんまりなくて、わりと本気で使ってます。

どこが新しいの?

SlushTokyoでのブース

IT時代の非言語的コミュニケーションの試みは、Apple Watchの、脈拍や振動、絵をを伝えるもの、何かすると、離れた場所で光がつく、インターネットを介して色を送るなどたくさんがありますが、これらは、身振りやジェスチャーのように、明示的にメッセージが埋め込まれたものです。

リクルートTeckLabPAAKのおかげで、SlushTokyoにブース出せていたのですが、来場者の方の何人かに、似たものがある、と言われ、オリジナリティをこそ至上とする僕はドキドキしたのですが、Apple Watchの振動や、lovlitCandleはメール送信と同じカテゴリなので全く違うものとして、おそらく最も近いものはアンビエントコミュニケーションと呼ばれるものです。(*)
アンビエントコミュニケーションは、自然に伝わるものを目指しているという点で近いのですが、これまでの研究やプロダクトは、送り手の能動的な送信、または、情報が埋め込まれされ、受け手がそれを解釈するように設計されています。
たぶん大きく異なるのは、ARCandleは、上に書いたような意味でコミュニケーションデバイスではないという点だと思います。

上の図や説明は、着想の流れとは無関係です。以前のエントリーでも書きましたが、アイデアは突然出てくるものです。
ARCandleについては、これも以前触れた、僕がずっと取り憑かれているEPR相関と、饒舌すぎるコミュニケーションによるディスコミュニケーションの問題意識がどこかで結びついたのだと思います。

これが売れたら何か変わるの?

ゴールに設定した値段だと、コストはまかなえるけど、僕の労働した分が出ないくらいです。もし100万ペア売れたとして、これだけ饒舌で冗長なコミュニケーションがあふれている中で、それだけの数の無為のコミュニケーションを、みんなが意識したら、人間の合理的でない、論理的でない、可視化できない、非言語的な部分をもっと意識するようになったりするといいなあと思ってます。

INDIEGOGOは海外のサイトなので、出演や翻訳は、ビデオにも出演してもらったトマゾくんにも手伝ってもらったりしたのですが、ちょくちょく僕が勝手に書き換えたりしてます。英語変なところあったらそっと教えてください。

これがあなたの会社のプロダクトなの?

付け足しです。ブースに来られた方にそう聞かれて、「これは試みで・・・いろいろやってます」とか言ってましたが、確かにそうだよなあ、と思いました。
しばらく実験的なプロダクトを出してきましたが、これがゴールしてもしなくても、そろそろスタートアップのビジネスとしてみてみても面白いモノを出すつもりです。

(*)
会場ではMITメディアラボの石井先生の名前を挙げられました。そこではすぐに思い出せなかったんですが、もと「インターコミュニケーション」の読者として、作品は見てました。
ambientroomも、最初の説明とかどきっとしますし、問題意識も同様な気がするんですが、多分途中で分岐して、違うアウトプットに出来ていると思います。

あと、以下は名前とか似てますが、これはよくある、ボタン押して、遠くで光るタイプです。
http://gizmodo.com/the-worlds-first-smart-candle-can-be-lit-and-extinguish-1786637893
https://www.behance.net/gallery/28310031/Lovlit-Candle-Internet-Connected-Candle